
河童徳利と輪光寺

茅ヶ崎市香川と寒川町大曲に架かっている大曲橋はご存じでしょうか。
こちらは、間門川伝説「河童徳利」発祥の地となっております。
(間門川は、今では小出川と名前が変わっております。)

この伝説は、西久保に住む「五郎兵衛」と馬の「アオ」、そして「河童」のお話です。
ある時、五郎兵衛が間門川でアオの体を洗っていると、アオが怯えた声でいななきました。
驚いてみてみると河童がアオを水の中に引き込もうとしていました。
そこで、桶を投げると河童の頭に命中して気絶したので木に縛り付けました。
しばらくして、河童が目を覚ますと「子供に少しでもいいものを食べさせようと思いこのようなことをしました。私が帰らないと子供たちが腹を空かせて泣いているでしょう。もう人様に迷惑をかけませんから許してください。」と泣きながら詫びました。
哀れに思った五郎兵衛が縄を解いて逃がしてやりました。
すると、その晩河童が現れて酒が湧き出るという徳利を五郎兵衛に渡しました。
但し、底を3回たたくと酒は出なくなると言い残して去っていきました。
酒好きの五郎兵衛は、その日から飲んでばかりで働かなくなりましたが、ある時餌を与え忘れていたアオを見るとすっかりやせ細っていました。
そこで、我に返った五郎兵衛が徳利の底を3回たたくと酒が出なくなりました。
そうして、五郎兵衛は元の働き者になりました。
と言うお話です。
ところで、茅ヶ崎市円蔵にある輪光寺に、甕に気持ちよさそうに入っている2匹の河童の像があります。また、ここには河童徳利の記念碑がありその裏には伝説が書かれています。


また、河童にちなんだ伝説がほかにもあります。
男が川でウナギを捕まえて食べてたところ、そのウナギが河童の友達でした。
河童につかまった男が尻子玉を抜かれそうになったのですが、平謝りしお詫びに酒をたんまり渡しました。河童はそれで酒盛りを始めたのですが、河で飲んでいたので酒が河に流れ辺りが酒の香りでいっぱいになりました。
それで、この辺りの地名が酒が香る川で「香川」というようになり、河にいた子供の河童が酔っ払って流されていきました。それで、油断すると河童でも河に流されるという「河童の川流れ」ということわざができた。
と言う。話を聞いたことがあります。
茅ヶ崎の河童伝説を訪ねながらお散歩を楽しむのも良いですね。